2012年9月27日木曜日

Pclosの特徴、Mageiaとの比較

注)今更Pclosのことを書いているが少し前に書いて
すっかり忘れていたものに加筆したものなので
少し話が食い違うかもしれない。

mageiaとどう違うのかという比較がよく話題になるので
その辺りを気にしながら自分にわかる範囲で書いていくと

1.パッケージ管理

ともにmandrivaを親に持ち、ともにrpmパッケージを使うが
パッケージの管理コマンドは
mageiaがurpmiを用いているのに対して
Pclosはaptを使っている。

いわゆるApt-rpmというもので、
Guiのパッケージマネージャもsynapticを使っている。
DebianやUbuntuに慣れた人にはなじみぶかく、わかりやすい
ただしコマンドについてはAptitudeやdpkgは使えず、
そのかわりにrpmのコマンドが使える。

ダウンロードしたパッケージを個別にインストール
する際には、UbuntuだとGdebiパッケージマネージャー
があるが、それに対応するものとしてはrpmマネージャーがある。
ただし最初からインストールされているわけではない。
とくにインストールしなくてもrpm -iコマンドも使える。
ただし、rpmのパッケージであるため、Debian系列
ほど自由な互換性はなくあまり期待しないほうがいい。
せいぜいフォントで使えるものがあるくらいだったと思う。

ノンフリーのパッケージ、Javaや動画のコーデック等については、
Pclosは最初から入っていて、特に何もしなくてもいいが
Mageiaは後から入れてやらないといけない。

これはノンフリーのソフトに対する考え方の違いを反映している。
ちょうどLinux mintとDebianのような感じだろうか。

2.解像度、グラフィックの設定

UbuntuやDebianだと解像度の変更は
端末からeditorを使って自分でファイル
をいじってやらないといけない。
つまりxorg.configを作成しなおさないといけないのだが、
最近はデフォルトではxorg.configが存在せず、
自分のような初心者はあちこち調べて
1から作成しなければならず、きわめて鬱陶しい。

こういった設定はPclosやMageiaはコントロール
センターからGuiを介して行えるので簡単にできる。
どちらかというとPclosのほうが、
色数にいたるまで細かく設定できたと思う。

追記)ちなみにPclosの場合Proxyの設定もコントロールセンター
からできて非常に簡単だった。
より具体的には,ネット上でプロクシを見つけてきて
貼り付けるだけですんだ。(追記終了)

解像度の設定ファイルの解像度がどちらも新たに登場
した横長の画面の比率に対応していなかった。
Ubuntu系統のものも最近ではましになったが
以前は解像度で悩まされた。
Linuxの場合、グラフィックやモニターは最新のものに
対応していない場合が多い。

これは推定なのだけれど、どちらもMandrivaをもとにしているので
多分対応しているモニターやビデオカードの基本的な設定ファイルが
PclosとMageiaでほぼ同じなのだろう。

3.アップデートの通知

PclosがMageiaと大きく異なる点の一つとしてはアップデート
を通知してくれるアップデートマネージャーが無いことだろう。

より厳密にいうとPclosにも非公式のものは存在している。
ただし外部の人がつくったもので、しばしば管理人が交代したり、
メンテナンスが止まって使えなくなったりするので
組織によって管理された正式なものではなく、
デフォルトでインストールされているわけでもない。
またしばしば不具合が発生しているようなので
あまりおすすめしない。

基本的なアップデートやアップグレードは synaptic
を使って行う。
通知機能がないので、2〜3週間くらいの間隔で定期
的にこまめにアップグレードをしてやる必要があり、
あまりこの間隔がながすぎるとシステムに不具合が
発生したりすることもある。
このへんの事情はサイトによって2週間おきくらい
と書いてあるところもあるが実際には月1でも
問題なかった。

通知がないのは不便なようにも思えるが
人によってはウインドーズのようにのべつ幕なしでアップデート
の通知がくるのはいやだという人もいる。
慣れればあまり気にはならない 。

4.情報量
 
Linuxを使う上でもうひとつ大切なことは
そのディストリの情報がどのくらいあるかということがある。
Pclosに関しては本家のコミュニティーが活発で
英語圏からの情報はわりとある。

たとえばMageiaやSuseの場合、人気はPclosよりはるかに上だが
情報があってもヨーロッパ圏でドイツ語やフランス語
で情報交換がおこなわれていて日本までほとんど情報が
伝わってこない。

とはいえ、UbuntuやLinuxmintのように
日本国内に正式な支部があるわけでは無いようなので
情報はアメリカ発になる。

また日本語入力などは未だに公式にはanthy
しかなくMozcを使いたければ自分で作成するか
他に作った人が配布してくれるのを使わせてもらうしかない。

5、64ビットへの対応

あとPclosは正式には64ビットに対応していない。
64ビットがでるという話はたびたびあるが
今のところテスト版のみのようで公式にはでていない。

64ビットはMageiaから出ているのでとりあえず
そちらを使う方法もある。
ただしMageiaの場合、あたらしいOSなので
まだフォントやノンフリーのパッケージが十分
とはいえない。
恒常的な使用に耐えうるかは実際に使ってみないとわからない 。

6、レポジトリーの違い


すっかり書き忘れていたが、Pclosの場合、レポジトリーは一本化
されていて、普通はどれかひとつだけチェックを入れておけばよく、
複数のレポジトリーを選択していると、
特にアップグレードをかけるような場合に、
synapticマネージャーからひとつにしてくれという指摘を受ける。

サードパーティーが提供している特殊なレポジトリー
(典型的なものとして日本語入力用に追加したibus用のレポジトリーなど)
以外は、どのレポジトリーも基本的に同じなので、より近くの速度のはやい
日本国内のサーバーのレポジトリーをえらんでやるだけでよい。

これに対してMageiaの場合、そもそもレポジトリーの仕組み
そのものが違っていて、通称メディアという名前で呼ばれており、
またフリー、ノンフリーを峻別しているので、
その種類も多岐にわたっており、複数のレポジトリーを入れてやらない
とおそらく必要十分なパッケージがそろわないという違いがある。
(くわしくはMageiaのところに書いたがかなり細分化されている。)

DebianやUbuntuあるいはFedoraでもノンフリーや
マルティメディア用に特殊なレポジトリーを追加してやるのが普通だろう。

ただ自分に必要なレポジトリーを探しだして追加してやる作業は、
そのOSにそれなりに詳しくないと非常にわずらわしいので
レポジトリーが一本化されているのは、
Linuxにあまりなれていない人にとってはありがたい。

Mageiaは今後の発展に期待しているが、32ビット向けのデスクトップ
なら現状ではPclosのほうが、いいと思う。








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